戸田てこの「て、ことだ!」 -34ページ目

ほどけてゆく

ああ。好きだったんだなあ。
やっぱりあたしちゃんと
好きだったんだなあ。

友達とバイバイした後
クリスマスカラー揺れる夜の吉祥寺で
あたし、なんだかよくわかった

だけど、もう
ちゃんとあたしほどけ始めてる

夜の吉祥寺に手を少し前に広げると
絡まってこんがらがってた毛糸が
ほどけていって
冷たい空気にしっかりとした一本の糸になって
宇宙のずっと先に消えてゆく

ああ、きっとこれから
あたしはあたしに戻ってゆくんだ

よしとする。

でもなー。あたしなんだかんだ言って
幸せやと思うねん。
自分の想像してた幸せとは違うからって
不幸とは限らんのやと気づいた。
同窓会も誕生日もクリスマスも
超えてみせるさ。

あ。
今、言ってみたらほんまにできるんか
一瞬、不安に・・・。あちゃー。
同窓会も誕生日もクリスマスもか~、
・・・。課題多めやなあ・・・。

でも、あの人を想って
また泣くんやったら、それはそれでもよし

かっこわるいに決まってるやん

今日、夢に
あの人とあの人の高校のときの彼女が出てきた。
それは結構長めの、
三角関係のゆめで、
あの人はあたしと別れた後
その女の子とよりが戻っちゃって
それを知った私はあの人に会いに行くのだった。
「あの子とだけはよりを戻さないでって言ったじゃない!」
て。
実際はそんな約束をしたことは一回もなくて、
でもあたしは付き合ってる間から、
本当はかなりその元彼女のことを
気にしてたんだな。
ずっと言いたかったことだったんだなあ。

「あの子とだけはよりを戻さないで」

そして夢の中では、あたしは略奪に成功するのだった。

目が覚めたとき、
冗談ぽく今なら電話をかけれるかもしれないと思った。
ねぼけたふりして。

「あの子とだけはよりを戻さないで!」
「は?」
「あの子とより戻す夢見たから、正夢になったら困るから
電話してん。」
「それ、ただの夢やって」
「ほんま?より戻してない?」
「別れてまだ三週間やで?いくら俺でもな、そんなことせえへん」
「ならいいねん。おやすみー」
がちゃん。

自分の中では、台本できてる。
そんで、ほんまにそうしようかと思って携帯取り出したら
友達からメールが三通も入ってて
あたしはやっと正気に返った。

そして、
「寝よ寝よ」て寝て
今、起きました。

かっこよくとか、なられへんで。
かっこよくひとりぼっちとか、なられへんで。
かっこわるい夜と朝を超えてくねん。

ひとりごと


「けど、たいした奴じゃなかったぜ」

て、
言ってみた空が

高くて高くて遠い。届かない。

だけど、
広くて広くてどこまでも晴れている。




ありがと、ともだち

昨日の書き込みを見て友達が
メールをくれた。
「そんなこと、あるな」
てうなづいてもらえる心強さ。

そして、昨日はゼミの忘年会でした。
うちは早々と酔っ払い、今断片的に覚えているのは
畳に突っ伏して泣いたことと、
そんな自分が泣きながらもちょっと
面白かったことと
泣いて顔をあげるたびに
ゼミのみんなが家族みたいにうちを
見守ってくれてたこと。
酔っ払ってたけど、その目線が
あったかいかあったかくないかくらいは
読み間違えてないつもりやねん。

帰り道、友達に手をつないでもらって
泣きながらもう、ずっとなんか喋ってて
(何を喋ったのかまったく覚えてないけど)
その一個一個に友達が
「そうやねえ。そうやんねえ」
とか
「てこは、でもえらいで」
とか
うなづいてくれたこと。

あたしは、完ぺきに
「しゃあないなあ、てこは」
みたいな位置に今いるわけやけど、
その位置は女の子的には駄目やけど、
泣いて泣いてあかんくなった子どもには
すごくあたたかい。

そして、その日見た夢は
中村獅童とデートする夢やった。
うちは、久しぶりに
うふふふって目が覚めた。

2004-12-09

声が聴きたい
声が聴きたい
声が聴きたい

プライドとかかっこいい去り際とか
どうでもいい

声が聴きたいだけなの
あとのことはわかんない


今日初めて、
「やり直してもう一度うまくいく」夢じゃなくて
「やり直そうとするんだけどやっぱり駄目だった」夢を見た。

これは進歩なんだろうか。
けど、朝起きた時、

もう一度、あの夢の中で聴いた
声が聴きたい
声が聴きたい声が聴きたい
と思った。

大丈夫。これはただの発作なんだから
と言い聞かせてた
蒲団の中でずっと
こんなのは一時の気の迷いだ
て言い聞かせてた。

変わりたいからここにいる

もう少し耳を澄ましていよう
君がいなくなった静けさ

もう少しここでしゃがんでいよう
胸の空洞 抱え込んで

こうやって一人ぼっちをうまくなれたら
次に好きになった人を
もっと大事にできると思う

このからっぽを知り尽くせば
もっといいあたしになれると思う

あたしの味方

あたしの笑ってる顔、

「早くまた見たいねん」

て言ってくれた。

六通のメール。
auとドコモやと250字しか入らんからな。
言いにくい自分のことも全部書いてくれた。
受信箱がその子の名前でいっぱいになる。
その名前見るだけでもうほっとした。

今日、学童の帰り道、
ちょっとやらしいやり方かも知らんけど
あたしの味方、数えてみた。

まずお天気が味方やろ。
家族が味方。子どももたぶん味方。
音楽が味方。「SEX and the CITY」も味方。
それから、友達が味方。

最強で最愛の女の子たちが味方。

なあんだ。だいじょうぶやん。


あたしの笑ってる顔、
「早くまた見たいねん」
て言ってくれた。

あたしにはまだ大事にしたい人がいっぱいいる。

鳩を飛ばす

そうだ。
胸の中で暴れる鳩を
閉じ込めてたのはあたしだった。
忘れてしまうのが怖くて。
傷つくことで覚えていたくて。
もう一度一人になることが怖くて。

今日も晴れてた。青く青く空が高かった。
友達からメールが来た。

 てこがあの人と付き合ってたことも、がんば
 ったことも、みんなあたしが覚えておくから


何かが一つ溶けた。

ゆっくり手を放すよ
もう飛んで行っていいよ
青く青く高い空だ。

発作

ふとしたときに発作に襲われる。
そばにいてよぅ死んじゃうよぅ
電車の中や信号待ち、叫びそうになる。
胸を押さえてそのまましゃがみたくなる。
けど、もちろんそんなことじゃ死ななくて
傷は忘れていくばかりだ。
どんどん痛みは鈍くなる。
だけど完全には絶対消えなくて
発作になる。
そばにいてよぅ戻ってきてよぅ死んじゃうよ